ここではウィンドミルの練習方法とコツについて、一般的な考えと筆者の私見を織り交ぜて整理しています。またページ下部には習得の参考になりそうなレクチャー動画をまとめています。
ここで解説しているのは最もベーシックな基本形のウィンドミルです。派生技などはこの基本形をベースとしつつも、やり方やコツは異なりますので予め念頭においてください。
目次
1. まず始めに「ウィンドミルの構成」について
ウィンドミルとは寝転んだ状態で上半身を切り返しながら開脚した両足を風車のように回転させる技ですが、まずはこれがどのような動きによって構成されているかを理解しましょう。大まかに以下のステップを連続させています。
- ①入り(チェアから崩し)
- ②あおむけ状態
- ③返し
- ④うつ伏せ状態(キャッチ)
- ⑤崩し
- 以降②③④⑤を繰り返す
2. 事前に習得しておきたい動き
ウィンドミルの練習前に”バックスピン”と”フロアトラックス”をできるようにしておきましょう。上記ウィンドミルの構成に基づくと、バックスピンで遠心力を作る感覚を、フロアトラックスで「②あおむけ状態→③返し→④うつ伏せ状態」の感覚を掴むことができます。これらができているとウィンドミル習得の効率は高いです。
バックスピン
ウィンドミルの「あおむけ状態」の感覚はバックスピンに近いです。背中へと繋ぐ際に足をしっかりと振って遠心力をつけ、体を絞りながら固めるようにあおむけ状態へ繋げましょう。回転中は下半身を含んでバネを溜めておく状態にします。またチェアの状態からバックスピンに繋げられるようにしておくと、ウィンドの練習が楽になります。
フロアトラックス
「返し」の感覚はフロアトラックスに近いです。上半身先行で回転し、手で地面をキャッチしてから足を振ります。
3. 練習方法とコツ
①入り(チェアから崩し)→②あおむけ状態
- やり方
- チェアの状態から、足を浮かして振りながら軸手側に体を倒しましょう。倒す際は軸手側の肩から背中に流れるように地面に体をつきます。体があおむけ状態になったら下半身を含んだ状態を保ちます。
- コツ
- 足はできるだけ腰を保って高い位置で振るようにします。位置が低かったり振りの遠心力が甘いと、体と地面の接地部が下がってしまい腰をぶつける原因となります。
- 崩しについても、軸手側の肩を地面についた後はなるべく背中の高い位置に繋ぐよう意識します。腰に近い低い位置についてしまうとうまく回転できず、腰も打ちます。
- 重要なのはただ横方向に転がるように倒すのではなく、腰を回転の中心軸として足を振って遠心力をつけることです。同時にうまく接地して勢いをつけられるように崩す時に手で地面を押します。それがうまくできるといい回転軌道を作ることができます。崩し後にそのままバックスピンを何周も回せるように練習してみると感覚を掴めるでしょう。
- また膝を伸ばして力を入れ、踵を突き出して足首をL字型に固定すると体の中心側に遠心力を集めやすくなります。その状態で開脚を維持しながら足を振りましょう。
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②あおむけ状態→③返し→④うつぶせ状態(キャッチ)
- やり方
- 腰を含み足を空中に開いて保ったあおむけ状態から、含んだ足腰で弾みをつけて腰を高い位置に上げ、一気に体をうつぶせ状態まで返してチェアの形でキャッチします。
- 足を地面に着かず腰ごと含んだ状態から、それを飛ばす反動と、入りから繋ぐ回転の勢いを利用してフロアトラックスをするイメージです。
- コツ
- 「入りから繋ぐ回転力を殺さず返しに利用できるか」「あおむけ時に足腰をしっかり含み、その弾みで返しの体を高く浮かせられるか」の二つが重要です
- 特に、足腰の溜めと弾みで体を高く浮かせられると、返す際に体と地面の隙間から手を抜いてチェアにいきやすくなりますし、腰と足を高く保つことにも繋がるため、足を地面についたり腰を打ったりするよくある失敗をしにくくなります。
- また慣れてくると頭を地面に着けず返せるようになりますが、習得中は頭を着けた方が断然やりやすく感じるはずです。返す時はフロアトラックス同様、完全に重心を乗せるぐらいのつもりで側頭部→おでこと地面に沿わせましょう。頭が痛い場合はニット帽を被ると衝撃や擦れを軽減できます。
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④うつぶせ状態(キャッチ)→⑤崩し→②あおむけ状態…
- やり方
- 体を返してチェアの状態に戻ったら、最初の入りと同じように体を崩して2周目に繋げます。2周目も1周目と同様のコツを意識して回転します。
- コツ
- 返しからうつぶせ状態のキャッチが安定していないと、崩しの軌道が低くなり地面に足を着いたり腰を打ったりしやすくなります。安定して2周目に入れるよう一周から返しまでを何度もやってマスターする、2周目も特に肩から背中の高い位置を地面に着くよう意識する、などを試してみるとよいと思います。
- ウィンドミルでは返し→うつぶせ→崩しの際に必ずしも軸手の肘をお腹に入れるようなチェアの姿勢になる必要はありません。むしろ回転スピードが速くなるにつれてチェアはほとんど必要なくなります。わざわざチェアを入れるよりも、両手の手のひらを地面について流す方がやりやすければその方法で練習して問題ありません。ただし慣れて無いうちは軸手をチェアに入れて回転軸をとった方が遠心力をつけやすいかもしれません。
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以上のやり方・コツを参考に練習してみてください。
練習する際はスマホで自分の動画を撮り、どこができていないのか・どうやったら改善できるのかを意識して取り組むと上達が非常に早いです。また技の習得に関して、まだうまくできていない部分やできた時にコツに感じるポイントは人それぞれに違うことが多々あるため、可能であればすでにその技を習得した人に実際に見てもらってアドバイスを受けられると、さらに効率的な練習ができると思います。
以降では参考として、Youtubeに投稿されているウィンドミルのレクチャー動画から、良質だと思われるものをいくつかピックアップして紹介します。
4. 参考になりそうなYoutubeのレクチャー動画
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